HOME»  Gs元気酵素»  亜鉛をもっと補給しましょう
育牛における亜鉛の補給の意義は、 大きく分けて下の①②の2つに分かれ、それによって補給すべき期間も分けて考えるべきです。 ストレスや疾病への対応(短期給与) ストレス時には、亜鉛や銅の要求量が高まることが分かっています。
米国(NRC)でも肉牛の亜鉛の要求量は日本と同じ30㎎/㎏と提示していますが、 ストレス下の子牛(主にフィードロットへの導入直後を想定)に対しては75~100㎎/㎏を推奨しています。
銅についても、通常の要求量10㎎/㎏に対し、ストレス下では10~15㎎/㎏と提示しています。
実際、米国のフィードロットにおいては、 導入直後の4~6週間は微量元素とビタミンを通常よりも強化した飼料を与えることが一般的です。
日本でも、市場からの導入直後、疾病時、ビタミンA欠乏による飼料摂取量低下時に、亜鉛を補給している農場は多くあり、科学的 な検証はなされていませんが効果が認知されているようです。
このような目的の場合、亜鉛の補給期間は2~4週間で十分と考えられます。
亜鉛不足は毛づやを悪くします。
これも、毛づやが悪いと亜鉛欠乏と決めつけられませんが、亜鉛の補給で毛づやが良くなることも多くの農家さんが経験しています
筋肉の発達(長期給与) 飼料中の亜鉛含量は筋肉の成長に大きな影響を与えることが分かっています。
実験では、子牛に亜鉛含量が要求量(30㎎/㎏)を下回る17㎎/㎏の飼料を21日間与えただけで、 DGおよび筋肉のタンパク質代謝速度は低下し、 その後亜鉛の補給により14日間で速やかに回復しました。
つまり、牛が持っている筋肉の成長能力を十分に発揮させるには、 飼料中のCP(粗蛋白質)を充足させるだけでなく、亜鉛も充分量を継続して与えなければなりません。
日本国内の研究でも、黒毛和種肥育牛に対する亜鉛の補給効果が報告されています ほとんどの試験で、DGは亜鉛添加区が対照区よりも高く、 枝肉重量が増加(あるいは肥育日数が短縮)しました。
6つの試験を平均するとDGの増加は+0.06㎏/日でしたが、 給与期間が長かった試験の方が効果は顕著に表れるようでした。
BMSやBCSなど肉質には一定の傾向が認められず、影響はなかったものと推察されました。
コマーシャル農場からも、和牛やF1の肥育前中期に亜鉛を補給することで、 体高の向上、枝肉重量の増加飼料摂取量の増加があったと、農場主のコメントとして得られています。
一方、肥育後期だけ亜鉛を補給して、効果が認められなかった例もあります。
これは筋肉の成長時期と関係があると思います。 
黒毛和種の筋肉が直線的に成長するのは、3~18ヶ月齢の間とされています。
やはり、筋肉の成長が盛んな時期でないと、亜鉛の補給は意味をなさないようです。
育成期から肥育中期までの間のできるだけ長い期間給与するのが、クリアな効果を得るために必要です